月夜ノ物語

「ふっ…ぅ…。長っ瀬ぇ…」

長く細く綺麗な指を懸命に伸ばし俺を求める愛しい人。

「ん?」

くわえていたアイツ自身を離し上目がちに見つめる。

「も…頂戴…」

潤んだ瞳でねだる。
「そんな顔したら我慢出来ないよ…」

細くサラサラな髪を撫で口を塞ぐ。

「ん…ふっ…えぇよ…長瀬の…頂戴」

冷え切った手を俺の頬に添える。

「手…」
そっと俺の手を添えた。
「ん?」
「冷たい…」
「うん…」
少し恥ずかしそうに微笑む。
「ゴメン」
無意識に言葉が出た。
「何で謝るん?」
不思議そうに目を細め微笑む。
「分かんないけど…」
そんな光一につられて微笑む。
「アホや」
「酷っ…」
「「ぷっははは」」
「なんか幸せや」
「え?」
「お前とこうしておれる事…」
「光一?」
耳まで真っ赤にし照れている。
「光一可愛い」
「ばっ///」
きつく抱き締める。
「マジで可愛い」
耳元で囁くとくすぐったそうに身を捩る。
「長瀬ぇ…くすぐったいわぁ…」
「『くすぐったい』だけ?」
「え?」
「感じてんでしょ?」
そう云って光一の自身を握る。
「あっ…」
その途端、欲望を吐き出した。
「…うわぁ。エロい」
ニヤリと口角を上げ笑う。

「っ///」
羞恥心からか、目を伏せる。
しかし、それがまた艶っぽい。

「射れるよ」
光一の足を肩にかけゆっくり秘部へ挿入していく。
「っ…うっぁん…」
光一の眉間に皺が寄る。
「力…抜いて…」
髪を撫で額に口付ける。
「ふ…ぁ…ぁぁ。長瀬ぇ…」

ぎゅっと俺の肩を掴む。
「ん…っ。光一」

「はぁ…んっ…」
「はっ…ん…」
「ん…ぁ…はぁ…ぁん」
「うっ…ぁ…っ」

二人の淫らな呼吸音と厭らしい音が静寂を切り裂いていく。

「な…がせ…ぇ」
「んっ…こ…ぃち」

光一の指が俺の指に絡む。
「も…イく…」
指に力が込もる。
「俺…も…」
光一の首筋に口付ける。
「はぁんっ…」
甘い声を漏らして俺の腹に欲望を吐き出した。

「ぅ…くっ…」
俺も限界に辿りつき、光一のナカに欲望を吐き出した。


光一の隣にうつ伏せに寝転がり、まだ呼吸の乱れる光一の髪を撫でる。

「ちょっとは手加減しぃや」
少しむくれ顔で俺を睨んだ。
「でも気持ちヨかったでしょ?」
「…///」
顔の半分を布団に隠してしまう。
「分かりやすい」
そう云って軽く額に口付ける。

「自分かて…」
不服そうに頬を膨らます光一。

「光一…」
「ん?」
「好きだよ」
「何やねんな…いきなし…。気色悪いわ…」
とか云いつつ、まんざらでもない様子で微笑む。

「光一は俺のこと好き?」
「知らん///」

くるりと俺に背を向け、すっぽりと頭まで布団を被ってしまった。

「ねぇ…好き?」
「知らんもんは知らん///」

「むぅ…。良いよ…。じゃあ躯に聞くから」

布団の隙間から手を滑り込ませ直に光一に触れる。
「なっ何すんねんな!?」

「俺のこと好きかなって思って」

「意味分からんし…」
「躯で教えてあげる」
「やっやめっ…」


もうすぐ朝がくる