サンダーバード-your voice- 

 

坂本くんは優しい。
それは俺だけにじゃなくて…
誰にでも平等で…
そんなとこも好きなんだけど…
俺は物わかり良くないから、嫉妬なんかしちゃって。

勿論、坂本くんには内緒なんだけど…。


「ねぇ、俺のこと好き?」
「うへ?」

新聞から顔を上げ俺を見つめる坂本くん。
「今、何つった?」
一瞬、顔怖かったですけど?

「だから…『俺のこと好き?』って」

「…好きだよ」

その間は何ですか?
「どうしたんだよ、急に」

「別に」
「『別に』って…そんな顔してたら気になんだろ?」

優しく頭を撫でてくれる。

大きな手のひら
細くて長い指
大好き。

「岡田は可愛いなぁ」
そう云ってわしゃわしゃと頭を撫でる。
「髪の毛乱れちゃうやん」
ぷぅと頬を膨らませ上目遣いで坂本くんを見る。

「あはは。マジ可愛い」
ぎゅっと俺を抱き寄せる。
「坂本くん?」
「ん?」
「みんな見てんけど///」
忘れてたけど、ここは楽屋。
勿論、みんな一緒なワケで。

興味津々に俺らを見つめてる。
「何だ?お前等。羨ましいか?」
どうやら、坂本くんに火が付いたらしく、挑発的に回りに目をやる。

「ハレンチだから健ちゃんは見ちゃダメ!」
そう云って健くんの目を隠すイノッチ。
「ハレンチなの?」
きゃははと笑う健くん。
「ハレンチって今時云わなくね?」
そんな二人を横目で見る剛くん。
「こら、剛。あんまり苛めるなよ」
剛くんを叱る長野くん。

「やっぱり、岡田が一番可愛い」
坂本くんはそう云って俺の額にキスをした。
「坂本くん酷い!ワタシのことは遊びだったのね!?」
いきなり、イノッチが立ち上がった。

訳が分からずキョトンとしている俺を余所に、剛くんが
「うひゃひゃ」
と笑った。

「ワタシと准くん、どっちが好きなの!?」

イノッチは更に叫んだ。

「普通に岡田」
「ん?」
名前を呼ばれ(何で呼ばれたか分からない…)坂本くんを見上げる。
「『ん?』て…」
何故か苦笑いの坂本くん。

「うひゃひゃ」
相変わらず笑い続ける剛くん。

「剛、五月蝿い…」
呆れたようにため息をつく長野くん。

そして、何故かそわそわし始める坂本くん。
「どったん?」
「ん?あ…いや…」
モゴモゴと歯切れの悪い返事。

「はーい。撤収」
パンと手を叩き、イノッチが立ち上がった。

「最近、美味しい懐石料理店できたんだよね♪」
「個室綺麗らしいね♪」
「で、懐石料理にはやっぱ日本酒だよね♪」
「俺明日オフだ♪」
皆、口々に何か云うと楽屋を出て行ってしまった。


ポツンと取り残された俺と坂本くん。

「みんなどったんやろね?」
坂本くんに問い掛けると
「さぁ…」
と困ったように首を傾げた。

「はっ、もしかして…」
ギクッとする坂本くん。
「連れション?」
ガタンと崩れる坂本くん。

「どったん?」
「いや…」

「俺等も誘ってくれたらえぇんになぁ?」

「そ…そうだな」

やっぱり坂本くんは苦笑い。


「んー早よ戻って来んかなぁ」
「岡田は俺と2人っきりは嫌?」
「嫌やないよ?ただ寂しいんやもん」

2人っきりになった楽屋はシーンと静まり返って少し不気味だ。

「一時間は戻ってこないよ」
「そんなに戻って来んのん!?どんだけ…むぐっ」
「岡田…一応アイドルだぞ!?」

最後まで云う前に口を塞がれた。

「むご…むご…ぷはぁ」

軽く手をばたつかせたらすぐに解いてくれた。

「もぉ、何なん?」
さっきから坂本くんの様子がおかしい。
「それはこっちの台詞なんだけど?」
「ん?」
「お前、誘ってる?」

意味が分からない…。


考えること5分。


「なっ///何云ってん///」
「おせぇ…」
がっくりと肩を落とす坂本くん。

「どんだけ鈍ちんなんだよ」
そう云ってデコピンをしてきた。
「って!?」

デコピンされた部分をさする。

「ばか」
「ちゃうもん」
「いや、ばかだね」
「ちゃいますぅ」

「じゃあ…」

体が傾き、畳に押し付けられる。

「淫乱?」

耳元でヤらしく囁く。

「なっ///ちゃっ///」

精一杯抵抗するがかなうはずがない。

「俺は素直な子が好きだなぁ」

そう云って首に手をかけられる。

「さっ…坂本く…ん?」

坂本くんが別人に見えて涙が滲む。

「ゴメンな、岡田」
ジワジワと坂本くんの手に力が入る。

「う…嘘やんな?
悪い冗談やんな?」
涙が止まることなく溢れてくる。

「許してくれ…」

グッと喉を締め付けられる。

「さ…か…もとく…」
巧く言葉が紡げない。
苦しみと辛さから涙が溢れて前が見えなくなった。

「岡田…」
もう何も見えない。

「ん…」
スッと新鮮な空気が流れ込んだ。

「がはっ…げほげほ…」
突然の出来事に驚いて咳き込む。

「嘘だよ」

必死に涙を拭ってみると、坂本くんが泣き笑いのような表情をしていた。

「お前さぁ、もっと抵抗しなさい!」

まるで子供を叱る親のように俺を叱る坂本くん。

「え?」
「これが俺じゃなかったら本当に死んでたんだよ!?」

今にも泣きそうな表情で坂本くんが云った。

「う…ん?」
よく分からなかったけど、なんだか切なくなって坂本くんを抱きしめる。

「岡田?」
「何や分からんけど、こうせなて思ったん…」

「そっか。優しいな」

よしよしと頭を撫でてくれた。

「俺、怖かってん…」
ぎゅっと坂本くんにしがみついてポツリポツリと思いを語った。

「俺、坂本くんが全然違う人に見えて…。むっちゃ怖かってん…」

また涙が溢れた。

「俺…坂本くん…」
「岡田…ゴメン。本当ゴメン…」

そう云ってまた頭を撫でてくれた。

「坂本くん…」
「うん?」
「俺…坂本くんが好きや」
「俺も岡田のこと好きだよ」
「あ…のさ///」
「うん?」
「きっ…き…///」
「『き』?」
「キスせぇへん?///」
「岡田…?」
「あ…ヤやんなぁ?ゴメン…///」
馬鹿だ俺…。
暴走し過ぎ…。
「岡田マジ可愛い」そう云って俺を引き寄せる坂本くん。
「あっ…///」
頭の中が真っ白になる。
「岡田…」
「ん…あ…///」
坂本くんの唇の感触が俺を犯す。
「岡田…可愛い」
呼吸の合間に耳元で囁かれ益々変な気分になる。

「ふっ…///あぁっ…」
舌が口内に侵入してきて中を掻き回す。
ピチャピチャという卑猥な音と俺の喘ぎ声と坂本くんの淫語が楽屋を満たす。

「さ…かも…ぁん…」

ぎゅっと坂本くんのシャツを握る。

「ど…した?」

余裕の顔で俺を覗き込む。

「も…ア…カンよ…ぉ///」

更に手に力を込める。

「何が『アカン』の?」
坂本くんが意地悪く微笑う。
「い…、いじわる///」

「マジで可愛い」
首筋を坂本くんの舌が這う。
「あ…ぅん…///」
「誘うなよ…」
「ちがっ///」
「岡田…俺の名前呼んで…」
「さ…か…本く…ん///」
うわごとのように呟く。
「そうじゃなくて」
俺の頭を撫でながら優しく微笑む。
「ま…まさ…ゆ…き///」

「イイコだね。准一」

そう云って目元に口付ける。

「すげぇ恥ずかしい///」
急に照れる坂本くん。
「自分で云わせたんやん///」

つられて更に照れる俺。

「好きだよ」
「俺も好き///」
「岡田」
坂本くんの手が胸元に伸びる。
「あ///」


「お腹空いたぁ」

急にガチャとドアが開き健くんが入ってきた。

「何してんの?」
天使のような無垢な笑顔で俺と坂本くんを交互に見る。

「え…いや…何も…?」

ゆっくり俺から離れる坂本くん。

「ふーん」
ニヤニヤと坂本くんに近づく健くん。

「みっ…みんなは?」

焦りから声が裏返る。
「いるよ?」

その一言で皆、楽屋に入ってきた。

「貴様等ぁ…」
握り拳を震わせる坂本くん。
「まぁまぁ。収録あるし」
そう云ってなだめる長野くん。
「そうそう。リーダー1回で使いものになんなくなるし」
ケラケラと笑うイノッチ。
「懐石料理…」
と呟く剛くん。

兎に角、皆俺等の邪魔をしたかったようだ。

「ふざけるなぁ!!」


皆、後で坂本くんにこってり絞られたようだ。

 

 

-あとがき-
 お疲れ様です。
はい、パパ×事実上末っ子のCPでしたけども。
いやぁ、グダグダいきましたけども…。
結局どうしたかったの屋良…。
 途中パパぶっ壊れぇorz
鬼畜??いや、鬼畜じゃねーよ。
いやぁ、やっぱ勢いで書くと駄目ねorz(いつも勢いじゃねーか;
 てか、これが早く上がった理由ってのがケータイだったからってワケでして。
今までPCでやってたんですがね、学行見てて急に書きたくなってねぇ。
ケータイのが早いわ。うん(気付くの遅いからね;
 つーわけで、何気に珍カプでした。