オレンジ
サヨナラと言えば 君の傷も少しは癒えるだろう・・・
本当は何処かで気づいてた。
もう、以前みたいには戻れないこと…。
だけど、手放したくなかった…手放せなかった…。
だけど、もう終わりにしよう…。
もう、俺の所為で傷つくのは嫌だから…。
これが最後の・・・・・
「あれ?木村?」
玄関のドアを開け、不思議そうに俺を見つめる中居。
「よ」
「どうした?」
普段、家に来ることは殆どないため、中居が訝しそうに俺を見る。
「いや、たまたま近く通ったから・・・」
相変わらず片付いていない部屋。
「まだコタツ出してるのか」
「だって、片付けるの面倒だべ?」
台所からビールを持ってきて向かい側へ座る。
「お前らしいな」
ビールを開け、グラスへ注ぐ。
「つーか、ホントどうした?」
俺から只ならぬ気配を感じたのだろう。
不安そうに中居が口を開いた。
「別に、どーもしねーよ」
唯…と俺は続ける。
「お前の顔見たくなってな」
「なっ・・・///」
「くくっ。照れるなよ」
「照れてねーよ、バカ///」
「赤面しながら言われても説得力ねーから」
「うるせぇ///」
同じ時間を過ごせば過ごすほど愛しさは募る。
ダメだと解っていても求めてしまう・・・。
「そーいや木村」
沈黙が辛いのか、中居が口を開く。
「ん?」
「最近どう?」
「『どう?』って何が?」
「ゴローとか・・・」
「別に・・・相変わらず」
「そっか」
「何で吾郎?」
「だって付き合ってんべ?」
「あのさー、それ不躾すぎ」
「え?」
「俺は、お前といるの。吾郎のこととかどうでもイイじゃん」
「あ・・・ゴメン」
「それとも、中居は俺が吾郎のとこ行ってもイイの?」
「え、あ・・・そうじゃなくて・・・」
「ん?」
「俺は…木村といたい…」
「了解、お姫様v」
そう言って中居の隣に移動する。
「なんか、久しぶりだね」
「ん?」
「こうやってゆっくりするの」
「だって、木村最近忙しいべ?」
「忙しいっつーか何つーか…」
「結婚って…いいモンなのかな?」
「あのさぁ、それ既婚者がいる前で言う台詞じゃねぇから」
「あー・・・ゴメン」
「ハハっ。別にイイけど」
「なんかさ・・・」
「ん?」
「変わっていくんだな…皆」
「何言ってんの。変だよ?何か悪いもんでも食ったの?」
「ちげー」
「まぁ、色々変わってくけど、変わらないもんもあるんじゃねーの?俺等の関係みたくさ…」
「それはどっちの意味で?」
「どっちって何よ」
「個人としてかグループとしてか…」
「どっちもでしょ」
なんて余裕な顔して中居の頭撫でてみたけど、実際、このままなワケないことは俺が一番分かってた。
「ホント、このまま時間止まっちまわねーかな」
コツンと俺の肩に頭を乗せて中居が目を閉じた。
どれくらいそうしていただろう…。
「腹減らね?」
ガバっと中居が立ち上がり俺を見る。
「・・・空気ブチ壊し」
「あ・・・」
「ホンット、お前変わんねー」
「そんな笑うなよ///」
「だって、マジおもしれー」
「あー、はいはい///」
「それより、何が食べたいの?」
「ラーメン!」
中居がキラキラと目を輝かす。
「ほんと好きだねぇ」
「別にいいだろ」
「はいはい。じゃぁ、行こうか?お姫様v」
「なんで姫扱いだよ・・・」
「今更?!」
「あーっ、もう。木村のバカ///」
「バカだから」
「あー、ほら、行くぞ!///」
「へいへい」
ズカズカ歩く中居を微笑ましく想いながら俺は後を追った。
サヨナラ… 僕を今日まで支えつづけてくれた人
サヨナラ… 今でも誰より大切だと想える人
サヨナラ… 消えないように
ずっと色褪せぬように…
-あとがき-
ちょっとずつ書いてたのがやっと上がりました。
最近こーゆー悲恋系ばっか考えてる…。
病んでるね;
あー、病んでる;
次こそは…。
オレンジの歌詞は自己解釈です。
実物とは若干違います;