日曜日

 

日曜日の昼下がり、俺はゆっくり目を覚ます。久しぶりの休み(しかも日曜日)。だから出かけようかとも思ったが、流石の俺も睡魔には勝てず、昏々と眠り続けること12時間。ようやく起きる気になり、こうして起きたわけだ。

 まだすっきりしない頭で周りを見まわす。すると横にはノブが寝ていた。昔「四号線鬼殺しのノブ」と恐れられていたソイツの寝顔はとてもかわいかった。規則正しく上下する胸と肩。しかも、昨晩暑かったため、白い薄手のシャツと短パンという格好で、少々露出が高くなっている。

 しかし、何でノブが俺の隣で寝てるんだ?

 「ん・・・」

 ノブが起きあがる。

「あ、センパイ。おハヨーゴザイマス」

「いや、もう昼過ぎだぜ?」

「あ、ホントだ・・・。だいぶ寝ちゃったなぁ」

 ん〜と伸びをひとつ。

「お前、なんで俺の隣に?」

 すかさず聞いてみる。

「え・・・。いや、起こそうと思って着たんスけど、あまりにも寝顔がカワイかったんで、つい隣で見てたんすよ。そしたらセンパイ気持ち良さそうに寝てたからつられて・・・」

「ミユキに怒られるぞ」

「あ、それなら皆揃って出かけちゃったんで誰もいませんよ」

「誰も?」

「はい」

「それなら・・・」

 と言ってノブに覆い被さった。

「セ・・・センパイ」

 シャツを脱がそうとする俺の手を拒んでノブが言う。

「誰か来たら・・・」

「誰も来ねーよ。誰もいねーんだろ?

「で・・・でも、もし帰って来たら・・・」

「夕方まで帰ってこねーよ」

 根拠があったわけではないがなんとなくそんな気がした。

「で、でもセンパイ・・・」

「なんだよ。つーかお前、ジゴージトクだぞ」

「え?」

「男の部屋で寝るなんて」

「あ・・・それは・・・」

「イイワケするなよ」

「でも・・・」

「『でも』じゃねー。寝てるトキ襲わなかっただけでもアリガタイと思え」

「センパ〜イ」

「大丈夫だって。痛いのは一瞬だから。苦痛の後は快楽だって」

「そうじゃなくて・・・」

「なんだよ?」

「マズくないっスか?」

「あん?」

「いや、だってお昼時だし・・・ね?」

「カンケーねー」

「あっ・・・」

 ノブは抵抗をやめた。昔っからこーなんだよコイツは。

表向きは居やがるけど内心じゃ・・・。気を付けねーと俺が食われちまう。

「センパイのばかぁっ!」

いきなり殴られた。

「なんだよ」

「センパイなんか、センパイなんか・・・」

「だーかーら、なんだよ」

「大っ―」

「好き?」

ノブが耳まで真っ赤にして照れる。

「図星か」

「なんで分かったんスか?」

「さっきまでのお前見てたら・・・なぁ」

 ホント、さっきまであんなんだったのに『嫌い』とか言われたら骨折り損じゃねーか。

ばふっ

枕が飛んできた。

「いじわる・・・」

「ばーか。お前がそんなカワイイからイケネーんだぞ」

「次は俺がうっ・・・」

 たまらずノブを押し倒す。

「上がイイなら俺から奪えよ」

「ムリっすよ〜」

 すでに半泣きだ。かっ、かわいい。

「なら大人しく下にいな?」

「え〜」

「それならガンバレよ」

 意地悪く笑う俺。悔しそうなノブの顔。この顔みるために俺はガンバッテんのよ。

「次、いくぞ」

「はっ、早いっスよ〜」

「そんな情けね〜声じゃなくてイイ声出せよ」

 かくして休日は終わっていくのであった。