Eden
-楽屋-
錦「なぁ、すば君…」
パラパラと雑誌を捲っていた手を止め
渋「おぉ、どした?」
錦戸の方に目をやる。
錦「あ、いや…何でもない///」
照れた錦戸が目をそらす。
渋「何やそれ」
そんな錦戸を楽しそうに渋谷が突つく。
錦「何でもないもん///」
渋「あっ、今の錦戸ごっつ可愛えv」
錦「可愛ないです〜///」
渋「い〜や、可愛えて」
よしよしと錦戸の頭を撫でる。
大「すばる君〜。ちょっといい?」
渋「おー、すぐ行くわー。ちょっとゴメンな」
そう言うとスタスタとバンドメンバーの方へ歩いて行った。
一人取り残された錦戸は不貞腐れさっきまで渋谷が持っていた雑誌を捲る。
チラっと渋谷の方に目をやる。
バンドのメンバーたちと楽しそうに笑い合う渋谷。
錦「すば君…、俺にはあんな笑顔見せてくれへん…。
あかん…涙出てきよった…」
急に切なくなって涙が頬をつたう。
横「誰やぁ?天下の錦戸様泣かした奴」
敏感に気付いた横山がちょっかいをかける。
亮「泣いてないです!」
慌てて目元を拭う。
横「無理せんでえぇよ。お兄ちゃんに言うてごらん」
錦戸の頭をポンポンと叩く。
亮「泣いてないて言うてるでしょ!!」
思いっきり横山の手を払い退け、楽屋を出て行く。
村「あ〜ぁ、泣かした…。何してんねん、アホ」
横「えっ…えぇっ…?俺が悪いん?!」
村「当たり前やろ!!錦戸の気持ち考えんと、余計な事するからや」
横「お、俺は…錦戸のためにやな…」
村「要らんお節介やねン…」
アホと頭を丸めた雑誌で殴る。
安「あの…てか、本番近いすけど…」
丸「追わなくても良いんですか?」
村「俺が行くから、お前等じっとしてんねんで!特に横山!!」
横「は〜い…」
しゅんとうな垂れる。
大「大丈夫ですかねぇ?」
横「大丈夫に決まってるやろ。何てったって村上が行ったんやもん♪」
渋丸安大「始まった…」
-外-
錦「あかん…。俺むっちゃ最低や。横山君殴ってしもた…」
はぁ…と深い溜息が漏れる。
錦「…何や切ななってきた」
腕で涙の零れる顔を覆う。
錦「しっかりせな!アイツが帰って来た時に居場所が無くならんように…」
今は訳ありで休業中の内のことが頭を過る。
錦「ちゃんと待っててやらんと…」
街の灯りを見ながら物思いに耽る。
錦「アホや俺…」
次々と浮ぶ∞のメンバーの笑顔に思わず呟いた。
錦「…アイツが居らんなってから俺の居場所無くなったんや」
自分の情けなさに深い溜息が漏れる。
錦「アイツの隣が俺の居場所やったんやんけ…。今頃気付くなっちゅーねん」
ボロボロと容赦なく零れる涙。
錦「バカひよこ…」
ボソっと呟く。
村「『バカ』は酷いなぁ…」
いつの間にか村上が後ろに立っていた。
錦「むっ、村上君!?」
村「おぉ」
手を挙げゆっくりと側に寄って来た。
錦「びっくりさせんといて下さいよ…」
村「ひよこチャンやと思った?」
錦「ちょっとだけですけどね」
村「そっか」
錦戸の隣に並んで立つ。
村「そんなに思い詰めんでもえぇよ?ちゃんと居場所あるやん」
いきなり核心に触れられ警戒する錦戸。
錦「どこから聞いてはったんですか?」
村「人聞き悪いなぁ…。見てたら分かるわ。
あ、横山のこと許したってな。あいつバカやから他に方法思いつかんかってん」
な?っと優しく微笑む。
錦「皆、気付いてはったんですか?」
村「んー、気付いてないんちゃう?鈍いから」
暫く沈黙が流れる。
錦「村上君は良いですよね。ずっと好きな人が隣に居てて…」
村「錦戸…」
錦「俺…自分の居場所がないのにも気付かんと…。バカみたいや」
村「それは違うやろ。そんな悲観的になったらあかんよ」
錦「…。村上君はホンマえぇよね。ずっと隣に好きな人居って解り合えて…。
俺の気持ちも分からんと色々言って…。俺と内には何もないねん!!」
一気に捲し立て、言い終わった後はっとした様に顔をあげ居た堪れないといった表情になる。
錦「…すんません」
今にも消え入りそうな声で呟いた。
村「辛かったな…」
優しく錦戸の頭を撫でてやる。
錦「ホント…すんません」
嗚咽が漏れる。
村「えぇよ、えぇよ。俺等かて、色々あったよ。せやから錦戸の辛さとかホンマ解んねん」
そっと抱き締めてやる。
村「そんな昔の俺みたいに可愛い錦戸に良いコト教えたるわ」
ニヤリと笑い錦戸の耳元で囁く。
錦「何ですの?」
村「内が俺にこっそり話してくれたんやけどな?」
錦「内がですか?」
村「『俺、亮ちゃんがいてくれてホント良かったですわ』って。可愛いわぁ」
錦「えっ///」
村「『俺、亮ちゃんと一緒やなかったら∞もNewsも居てへんかったと思う』とも言うとったよ」
錦「・・・」
村「ちゃんと愛されでんで?内は照れ屋やからなかなか言えへんだけで、ちゃんと思ってんで」
錦「ズルイっすよ…」
村「?」
錦「俺…そんなこと言われたら頑張っちゃいますやん」
村「えぇコトやん。頑張りや」
ワシャワシャと頭を撫でる。
錦「何かすっきりしました」
村「おぉ、そっか。良かったわ」
-楽屋-
村「ただいま〜」
勢い良くドアを開ける。
横「おかえり〜vV]
透かさず飛びつこうとした横山を避け中に入っていく。
錦「も…戻りました」
オズオズと錦戸も入ってきた。
皆「おかえり〜♪」
心配したよ〜と錦戸をど突く。
錦「痛いっ、痛いっ」
村「ほら、お前等、もうすぐ本番やで」
横「お前等ぁ、ちゃんとしぃや!」
村「お前が一番ちゃんとしぃや」
村上に突っ込まれしょげる横山。
村「んじゃ、出陣や!」
-本番後-
どうにか本番が終わり、皆ゆったりとくつろいでいる。
錦「俺、アイツのためだけじゃなくて、自分のために頑張ろうと思うんです」
村「うんうん。えぇ心がけや」
横「錦戸はえぇ子や」
うんうんと村上に便乗して肯く。
村「それよりお前…」
横「はいな?」
村「謝ったんか?」
横「え・・・」
渋「『天下の錦戸様』を泣かしたんですから、ただたんに『ごめんなさい』だけなワケないですよねぇ?」
意地悪く渋谷が言うと
大「そうですよね〜、横山くん?」
丸「と、言う事はやっぱりぃ?」
安「土下座とかですか?」
皆便乗して横山をいじめる。
村「土下座で済めばえぇけどねぇ?」
渋丸安大「『天下の錦戸様』ですもんねぇ?」
ニヤニヤと笑う。
横「錦戸様〜、皆が苛めます〜」
わーんと錦戸に泣きつく。
村「自業自得やろ」
ペチっと横山の頭を叩く。
優しい時間が流れる。
がちゃっ
突然のドアの開く音に皆ドアの方に注目する。
錦「なっ…おまっ…なっ?!」
余りの驚きに言葉が巧く出て来ない。
内「何ですか?人をお化けみたいに・・・」
頬を膨らませ不機嫌そうに周りを見まわす。
内「何か変ですか?」
錦「お前の顔やボケ」
ようやく理解できたらしい。
勢いよく内に飛びついた。
内「わっ・・・とっ。てか、『ボケ』て酷っ!」
錦「このバカ!」
内「スイマセン…」
錦戸の扱いを知る内にとって謝ることが一番良いのだと判断されたようだ。
錦「謝るなや、バカ」
内「あ…はい。スイマセン」
錦「せやから謝るなて言うてるやろ!」
内「はい」
素直に引き、錦戸を抱き締める。
錦「お帰り」
内「ただいま」
周りの視線を他所に二人は会えなかった時間を埋める様に抱締めあった。
Eden/1stアルバム「感謝=∞(エイト)」収録曲
-あとがき-
今回はかなり久々にストーリをノートに書き出しまして…。
てか、これ車の運転しながら考えてたのね。
何がしたいのか解らんし…orz
最初は「すば亮」だったんだけど(Mステで腕組んで出てくるから…)やっぱ「内亮」だなぁと。
てか、作中「村亮」もちょっと入ってるし・・・。
でも基本的に雛子は横となのね。
てか、亮受けとか凄いマイナーなんだよねぇ…。
あのねぇ、個人的になんだけど
Sが受けってかなり萌なのね(悪趣味…)
だから自分の中では亮子は最強の受けなんですvV
まぁ、そんなこんなで亮攻めのかたゴメンなさい。