僕の恋愛事情と台所事情

 

「な〜がせ〜。起きろ〜」
台所から叫ぶ。

「ふ…ん…」
長瀬の寝起きが悪いのは百も承知。
呼んだだけで起きるわけがない。
「やれやれ…」
一度飯を作る手を止め、長瀬の寝ている隣室へ向かう。

「ほれ、起きろ」
グイグイと足で左右に転がす。
「ん…」
もぞもぞと動き、また眠る。
「おい…」
毎度毎度のことながら本当にイライラする。
「長瀬」
「ん〜…」
「長瀬!」
「…うぅ」
全く起きる気配がない。
「おい!」
「…」
反応がなくなる。

「チッ」
思わず舌打ちし長瀬の頭もとにしゃがむ。

「起きろ、コラ!」ペチペチと頭を叩く「…」
が反応なし。

先に起きると煩いくせに…。
かといって寝かしたままにしておくと怒るからたまったもんじゃない。

「俺ぁお前の何なのよ…」

よいしょと腰を下ろし(諦めモード)頭を撫でる。

「んへへぇ。松岡く〜ん」
自分の状況を知ってか知らずか…ニヤつきながら俺を呼ぶ。
「寝言じゃ騙されねーぞ」
そう呟くと僅かにしかめっ面になった。
「うわぁ…なんだコイツ」

面白くなって更にいじめる。

「長…瀬ぇ…あっ…」

耳元であの時と近い声を出す(何やってんだ俺…)。
すると顔を真っ赤にした。

「お前、起きてんだろ?」
流石に怪しいと感じ耳元でドスの効いた声で囁く。
しかし、反応がない。

「何だよ…」
頬を摘む。
起きてるときはもの凄く嫌がるのだ
が
全く反応なし。

「…」

暫くの沈黙。

「ぶっ、ははは」
突然、長瀬が吹き出した。

「?」

ワケが分からずきょとんとする俺。

「あっははは」

更に腹を抱え笑い転げる(この表現がしっくりくるくらい)。

「はーはー…」
肩で息をする。

落ち着いたかと思うと

「うははは」
また笑いだす。

「…うるせー」

驚きと呆れでそれを云うのがやっとだった。

「だっ…だって…まぶはははっ。
まっ…松ぉっ…ひゃははは。
松おっ…うははは」
全く話が進まない…。

「だってさぁ」

ひーひー云いながら涙を拭う。

「有り得ないでしょ」

「ぁ゛ん!?」

苛立ちから口調が荒くなる。

「だってさぁ、普通起きてるか確認するためにフェラされてるときの声とか出さないって」

ふーふーと深い呼吸をしながらどうにかこうにか云いたいことを云ったようだ。
「確認じゃねーよ、バーカ」

そう云って頭を小突く。

「って」

頭をさすりニヤニヤと笑う。

「ぁんだよ。キモチワリー…」

「いやぁ、なんか幸せ」

必殺癒しスマイルを炸裂させてきた。

「さ、起きろ」

空気に流されないように立ち上がる。

「え〜」

上目使いで不満そうに見上げてくる。

「ぁんだよ?」

そんな長瀬を冷たく見下ろす。

「…シたい///」

ボソボソと呟き赤面した。

「なっ…///」

つられて俺も赤面する。

「ね…?」

「ヤだ」

「なんで…」

「…なんでも」

「ヤーダー」

ジタバタと長い両手両足を動かして暴れる。

まさに
「怪獣…」
のようだ。

「シたぁい」

「ぶっ…」

まるで親におもちゃをねだる子供のよいな長瀬の様子に思わず吹き出す。

「あ、今の何か傷ついた。責任取ってよ」

どこで覚えたのか…。

馬鹿なクセにやたら悪知恵がはたらく。

どうせ…
「何?国分あたりが吹き込んだ?」

「ぇ"…」

目を逸らした…。

「図星か」

今度会ったらシバかないと♪

好きなんだよなぁ。国分のあの顔♪

「何?」
ニヤつく俺を訝しんで見上げる。
「別に…。さ、飯にするぞ」
「え〜っ」
「何だよ…」
「シたい…」
「ヤだっつの…」
「松岡くんが悪いんじゃんか…。あんな声出して…」
「知らねー」
長瀬に背を向け、台所に戻る。

「何?何??台所プレイ?」
ひょこひょこと俺の後を付いてくる。
…犬みてー。
「しねーって…」
俺は背を向けたまま。

「てかホント、マジでヤバいんだよね…」
くいっと俺の袖を引っ張る。
「『ホント』と『マジ』は同じ意味だろ」
バカか!?
と振り向くと
「近っ」
かなり近くに長瀬の顔があった。

「バカじゃない!」
云い終わらないうちに唇が塞がれた。

「ふっ…ん」

いきなりの出来事で抵抗が間に合わず、甘い声が洩れる。

「はっ…ん…やめ…」

長瀬の方が力が強いため押し返すことができない。
「松岡くん…。ホント我慢できない…」
「はっ!?」
次の瞬間、視界が揺らいだ。


「った…ばっ」

いそいそと俺の服を脱がせにかかる長瀬。
「ダメ!」
抵抗するなということらしい。
…こ、こいつ…マジで犬みてー。

「ふっ…うぅん…」
グチュグチュと音を発て俺のモノをくわえる。

「っ…」
「はぁ…ん…」
な、なんで俺よりお前が感じてんのよ!?
って、俺余裕♪

「ま…うっん」

涎と俺の先走り液(なんだろうな…多分 微妙に白いし…)をダラダラと零しながら長瀬が俺を見る。

「何?」
可愛いが、ここは焦らす。
「ちょ…だい」
上目遣いで、しかも涙目で強請る。
「何を?」
そろそろヤバいかも…。
「松岡くんの…」
「俺の?」
真っ赤になってコクコク頷く長瀬。
「俺の何?」
「ふぁはっかへふれひょ?(分かってるでしょ)」
会話ももどかしいのか…くわえたまま喋る。
「わかんねーな」
くしゃっと頭を撫でる。
「ふ…っあ」
つか、もうイきそうじゃんか…。
「なぁ、何が欲しい?」

「まひゅおひゃふんの(松岡くんの)…」
「おい」
グイッと頭を押し、口を離す。
「ちゃんと云いな」
「ま…松岡くんの…」
「俺の?」
「アレ…///」
「どれ?」
「あ…う///」
「何?」
「いっつもくれる…」
「あぁ〜」

俺の納得の返事に顔を緩ます。

「俺の指ねv」
隙間から巧く入れてやる。
「あふぅ…ん」
ダラダラとだらしなく涎を流す。

「うわぁ、やらし…」
そのまま指を出し入れする。

「ん…まぁ…んぁ」
「どうした?」
「ちがぁ…」
「違う?何が?グチョグチョだよ?」
「あ…ん」
「つか、脱げ」
云うが早いか…
一糸纏わぬ姿にする。
「松岡くん…ん」
「何?」
「も…ダメ」
「あぁ、イっていいよ」

そう云って指の動きを早くする。

「あん…はぁぁん」細く脆い声で鳴きながら欲望を吐き出した。

「なんだ。やっぱ指じゃん」
容赦なく掻き回す。
「あ…そ…ふぁん」
「此処?」
「あっ…あぁぁんっ…」
「そんなにイイの?」
凄くそそる。
「やぁ…ん」
「何よ?」
「入れて…」
「入れてんじゃん」
グチュグチュとかき回してやる。
「はぁん…や…ぁん」
「腰揺れてんよ?」
「ふぇ…ぁっ」
「またイきそう?」
「まっ…」
「何?っ?!」

いきなり腕を掴まれる。

「松岡くんの…入れて…」
我慢も限界らしい。
必死に強請る。
「俺の何を入れて欲しいの?」

「松岡くんの……///」
ボソボソと口にした。
「よく出来ました♪」
優しく頭を撫でやり、グッと入れる。
「あぁぁぁぁん」

その瞬間二度目の絶頂を迎えた。

「早いなぁ」
くしゃくしゃと頭を撫でてやる。
「だっ…///」
「どうでも良いけどさ…俺、まだなんだよね…。シてくれるよね?」

にっこりと微笑み、口付ける。

「ふ…っ…あっ」
「キスだけで感じるの?」
「だって…」
「ふふふ。淫乱だ」
そう云って俺のモノをくわえさせる。

「ん…ふ」
「長瀬…」

上目使いで俺を見ながら卑猥な音を発て必死に愛撫する。

「ん…あっ…」

俺の呼吸音と長瀬の喘ぎ声と卑猥な音が響く。

ふと、何気なく長瀬のモノに目をやると
細く長い指が絡んでいた。

「長瀬?」
「あ…ん」
「長瀬。ちょっと止めな」

無理やり引き剥がすと、ダラダラと涎を零し、虚ろな瞳で俺を見つめた。

「その指何?」
「はっ…///」
「ね…何?」
「う…」

気まずそうに俯く。
「俺のじゃ不満なの?」
軽く睨む。

「ち、違う!」
「へぇ…。グチョグチョだよ?」
黙り込む長瀬。

「分かった。もう良いわ」
「え?」
「一人でしな」
そう云って立ち上がる。
「やっ」
俺の腕を掴む。
「何がいやなの?」
勢い良く振り解き、散らばった衣服をかき集める。

「ま…松岡くん…」
怯えたように俺を見上げる。

「もう良いから」
「ま…」
すすり泣く声がする。
「ご…ごめんな…さ…」
途切れ途切れに許しを乞う。
「ごめ…っな…さい」

「ごめ…んなさ…い」

「もう…良いよ」
ふぅと一息つき、座り込む。
「もう…良いから」
よしよしと撫でてやる。
「う…っく…」
「泣くな…」
「だっ…」
「泣くなって」
額に口付ける。

「ごめんなさい」
「うん。もう良いから」
「松岡くん…」
「ん?」
「好きだよ…///」
「え?」
「す…好き///」
「ん?聞こえない」
「いじわる///」
「ははは」

ぷぅと頬を膨らませ、拗ねる。

「かわいいなぁ。続きシよっか?」

「ん///」


こうして俺らは互いに求め合った