櫻華
「吉良、堪忍な…」
枕元であの人の声がした気がした。
「それってさ、明らかに夢だろ」
大好物の鯛焼きを頬張りながら恋次が言い放つと
「いや、でも、あの人だぞ?万が一…って可能性も無きにしも非ずだろ…」
恋次を呆れた表情で見ていた修平が口を開いた。
その後意味のない会話を数分し、それぞれ仕事に戻って行った。
「隊長…。部屋の前の桜…もうすぐ咲きますよ…」
元、三番隊隊長だったギンの姿を思い出す。
「また来年も一緒に見ような?」
嘘だったのですか?
「イヅル、そんな顔しんと。桜見るときくらいは笑いや?」
偽だったのですか?
それでも貴方を愛しんでしまうのは罪ですか?
もうあの頃には戻れない。
戻ってはいけない。
どうして貴方は
僕を置いて
行ってしまわれたのですか?