アレルギー
「松潤っvv」
がばっと勢い良く相葉が松本に後ろから抱きつく。
「相葉チャン!!」
あまりにも勢いが強過ぎたため少々前のめりになりながら松本が驚く。
「どうしたんですか?こんなところに・・・」
このテレビ局には本当なら居ないはずの相葉が目の前に立っている。
「仕事が早く終わったからさ〜。それに、近かったから寄っちゃったv」
にぱっと相葉が笑う。
「いやいや、『寄っちゃったv』じゃないでしょ?!来るなら来るって連絡くださいよぉ」
何だかんだ云ってはいるが、嬉しいらしく、顔がにやけている。
「もうすぐ終わるンでしょ?一緒に帰ろうv」
そっと松潤の手を握り口付ける。
「家、別方向じゃないですか」
松本が頬を赤らめ、すっと目を逸らす。
表では何とか冷静さを保ってはいるが内心相当テンパってきている。
「そろそろカメリハなんで。行って来ます」
ぱっと手を引っ込めスタジオへ向かおうとする。
「待って!!」
そんな松本の腕を掴み無理矢理気味に相葉の方を向かせる。
「わっ…と・・」
いきなり抱きつかれやり場に困った両手は上にあがり万歳状態になる。
「ちょっとだけこのままでいさせて」
「どっ、どうしたんですか?!」
普段は絶対見せないしおらしい姿に戸惑いが隠せない。
「何処か痛いんですか?!」
気が気で無いらしく両手を上げたままオロオロと辺りを見まわす。
「ちーがーうー」
松本のとんだ勘違いにむくれ、頬を膨らます。
「えっ、あっ、違うんですか?」
照れたように顔を赤らめる。
「違うんだよ」
楽しいらしく、ニヤニヤと笑う。
「それなら良いんですけど・・・」
「それよりさー。その手」
松本の手は未だに上にあがりっぱなしになっている。
「あ・・・」
「ね、手…」
ねだるように松本を見つめる相葉。
「手…ですか」
困ったように笑う。
「手ですよ」
ニコニコと微笑む。
「ねー。もう疲れたでしょ?」
「疲れ…ましたねぇ…」
「下ろして良いよ?」
「えっ、いや、下ろすって…ですねぇ」
アタフタと焦る。
「えー?下ろさないのぉ?俺、もう暫くこのままのつもりなんだけどぉ」
意地悪く微笑む相葉。
「いや、リハーサルあるんで…」
「まだ大丈夫でしょ?」
「そろそろ…ですね」
「ちぇーっ」
本気で困らせるつもりはないらしく、大人しく松本から離れる。
「じゃぁ、頑張ってきてねv」
そう云うとちゅっと素早く頬に口付けた。
「なっ、何をっ・・・」
焦ってドギマギする松本を尻目に相葉はスっと離れいってらっしゃいと手を振った。
貴方がいるから頑張れる。
貴方がいるから今日も笑える。
貴方がいたから今の僕がいる。
アレルギー/「ARASHI No.1〜嵐は嵐を呼ぶ〜 」収録曲